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2021年8月17日火曜日

【見逃していませんか?この本】古巣への臨検など続編に期待!/上野歩『労働Gメンが来る!』 |書評|労働新聞社

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【見逃していませんか?この本】古巣への臨検など続編に期待!/上野歩『労働Gメンが来る!』 |書評|労働新聞社

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 26歳の新人労働基準監督官・清野清乃の成長を描いた一冊だ。東京都東部に位置する架空の労働基準監督署に配属となり、監督指導などに奮闘していく。

 全6章から成り、清乃の働きぶりを通して、監督官が賃金未払いや労働災害に対してどのように対応しているかが分かる。最終章は「働き方の未来」と題し、新型コロナウイルスが拡大したことでの影響を描いた。

 清乃を含めた監督官のキャラクター設定が面白い。書類送検に対して慎重な姿勢を取ったり、災害監督直後に血の滴るようなステーキを食べたり。それぞれ、そうした行動をとった理由が順に明かされるのも読みどころだ。

 小職も、様ざまな監督官に取材をしたが、個性的な方が多かったと記憶する。技能実習生に対して残業代を支払わない事業主への怒りをあらわにする人、労働安全衛生法に関するマニアックな知識を次々と披露する人。屋号を変えながら賃金不払いを繰り返す個人事業主に対して「全く懲りてない!」と呆れ返っている副署長もいた。配偶者ががんになったことを1つのきっかけに、がんと就労の両立セミナーを開催した方も…。さて、清乃はいったいこの後、どのようなキャリアを歩むのか。どんな監督官に成長していくのか――。

 実は、彼女には監督官になる前に正社員として就職していた「前職」がある。そこでの体験が、監督官を志望するきっかけとなっている。そうなると、古巣へ臨検に入るなどという展開も面白そうだ。続編に期待したい。

 光文社・792円(税込み)/うえの あゆむ、1962年生まれ。1994年に『恋人といっしょになるでしょう』で第7回小説すばる新人賞を受賞。

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